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花扇通信Hanaougi news

月刊 花扇生薬  第258号

2024.1.26

編集・発行人:小西製薬株式会社学術担当

薬事

ミシマサイコ、栽培本格化 漢方薬原料、松阪の中山間地で新年度から

松阪市の中山間地での薬用植物ミシマサイコの栽培が、2024年度から本格化しそうである。ミシマサイコは乾燥させた根が生薬「柴胡」となり、解熱や消炎の作用がある。栽培実証事業は22年度に始まり、薬用作物マイスターの協力を得て実施されている。
2月12日に飯南産業文化センターにて栽培実証の成果報告が行われた。23年度は約10アールの畑から、乾燥重量で約20キロの収穫ができたという。獣害に遭いにくいことも確認された。果物や野菜より収穫期が長く、市場を介さずメーカーや問屋と直接取引のため、価格が安定している点も挙げられた。
本格栽培では乾燥重量で10アールあたり30〜50キロの収穫が期待され、地域の気候風土が栽培に適しているとして、組合化により生産管理しやすくなり、品質や収量の向上も期待されている。
2月末~3月末上旬が種まきの時期のため、市は生産組合に加入して栽培を目指す農家を募っている。
(2024.02.22 朝日新聞)

「薬草王国」復活へ支援 県、生産から販売まで 振興ネットワーク設立

長野県では県内の薬草栽培の生産力向上と販路拡大を目指し、「県薬草振興ネットワーク」が設立された。過去には信州が薬草王国として知られ、薬草の栽培戸数と栽培面積は全国の20%を占めていたが、生産量は減少し中国産に取って代わられた。最近は中国産と国産の価格差が縮まりつつあり国内の栽培面積は回復傾向にあるが、生産者が比較的小規模な県内は伸び悩んでいる。薬草に関する情報共有を求める声が上がり、個人や生産団体、卸売会社、製薬会社などが参加し、2月10日にネットワークが設立された。
3月7日に開かれたキックオフイベントでは、生産者や生薬メーカー、県関係者など約120人が参加し、薬草栽培の動向や需要品目、適した栽培条件などについて説明した。新年度以降は栽培研修会や商談会も予定され、生産者とメーカーが互いの考えや課題を知り、最終的には薬草が地域経済の循環につながることが期待されている。                                                  (2024.03.08 読売新聞)

県漢方プロジェクト「心の時代の漢方」語る 県研究発表会 マルシェも好評

3月10日に奈良市水門町の東大寺総合文化センターで「県漢方プロジェクト」の研究発表会が行われた。県漢方推進顧問を務める一般社団法人「漢方産業化推進硏究会」の渡辺賢治代表理事が「心の時代の漢方」と題して基調講演し、約130人が耳を傾けた。
渡辺代表理事は、漢方では「心身一如」という考え方があり、身体的症状の背景には心を追い詰めるストレスがあると指摘した。「薬で症状を抑えるだけでなく、ストレスの元を知り、心身の悪循環を断ち切らないといけない」などと説いた。その後、県の機関や学生がセリ科の大和当帰などに関する研究成果を発表した。
関連イベントとして、県庁前で「奈良漢方マルシェ」も開催された。県産の薬草などを扱う10業者がブースを出し、家族連れや観光客が薬用作物を用いた健康食品や入浴剤などを購入していた。
(2024.03.11 毎日新聞)

壬生藩の医療「国内屈指」 町立歴史民俗資料館など調査 新史料発見

壬生藩の侍医・河内全節と古川精一は明治時代に漢方医の復権を目指して活躍した大家であることが裏付けられた。壬生町立歴史民俗資料館の調査で、1884年に開催された漢方医と西洋医の懇親会の名簿「漢洋医家懇親会漢医招待者名簿」に彼らの名前があった。また、1883年に作成された西洋医と漢方医の全国の名医を番付にした「西洋医・漢家医雷名鏡」には、小結に古川、前頭に河内の名前が記されていた。
1874年に明治政府が西洋医学に基づく医療体制に制度改革した以降、医薬行政から漢方は排除され、漢方医らは漢方存続のためにさまざまな対抗策を打ち立てていた。これらの背景から、史料に名前が掲載されていることは漢方医の第一人者である証明という。
河内は明治天皇の御用医師であり、古川は浅田宗伯の右腕として中央の医学界で活躍した。
調査結果が展示される予定は未定だが、順天堂大医史学研究室の中野正人さんは今後も研究を続け、「河内全節が診た明治天皇皇子女の容態」について論文をまとめる予定だ。
(2024.03.10 読売新聞 2024.03.12 毎日新聞)

商況

国内商況:
 相場は年明け以降も目立った変化はなく、先月と同様の状況である。相変わらず物が入らず高値のゴオウはともかく、オウゴン、オクバク、サンショウ、チョレイなど、良品が少なくやや高めの品目はあるものの、全体的に需要自体の低迷により動きは鈍い。
                                       (薬事日報2024.02.28)

海外商況:
ショウキョウは、12月に収穫後、食用に大量に回ったため薬用の原料コストが上昇した。在庫品の消耗に伴い今後の価格がさらに上昇する可能性がある。
シャクヤク、オウゴンは栽培面積が回復せず、今後も相場は堅調を維持するだろう。サンシシ、和種センキュウ、ダイオウ、ビャクジュツは今のところは安定しているが、同様の理由から今後上昇する可能性がある。
トウガシは、23年収穫後売れ行きが好調であり、今年も引き続き高値を維持するだろう。カンゾウも需要が供給を上回り、価格が上昇し始めている。
サンヤクは、成長期に雨天の影響を受けたため、今年の生産量が減少した。在庫不足と相まって、価格は今年も堅調に続く見込みである。
(輸入商社提供)

安全性

・ 医薬品安全対策情報(DSU)No.324 2024年3月
・ 医薬品・医療機器等安全性情報(厚生労働省)No.408 2024年3月14日
※漢方・生薬に関する情報はなし