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花扇通信Hanaougi news

月刊 花扇生薬  第260号

2024.5.26

編集・発行人:小西製薬株式会社学術担当

薬事

薬剤師が麻黄栽培に成功 局方品質で初出荷、量産へ 国産生薬生産普及協会

国産生薬生産普及協会は2023年、漢方薬の原料である麻黄の国産化に成功した。薬剤師である同協会の代表理事の山口寿則氏と同専務理事の野村行宏氏が神奈川県伊勢原市で栽培に挑み、日本薬局方の基準を満たした約45kgの麻黄を収穫し、漢方メーカーに出荷した。今年は100kgの収穫を目指し、将来的には年間国内消費量600トンの1%に相当する6トンまで拡大を目標としている。
麻黄は主に中国から輸入されているが、1999年から中国政府がマオウ属植物の輸出制限措置を取っており、安定的な調達に不安がある。このため、金沢大学名誉教授の御影雅幸氏が石川県志賀町で栽培研究を展開し、協会がこれを引き継いで本格的に麻黄の国産化に取り組んだ。現在、伊勢原市の圃場や他の地域で栽培を試みており、量産化を進める計画である。しかし、収益化には課題がある。農家を確保する必要があるが、人件費を賄うことが難しい。今年は「麻黄シンポジウム」を開催し、積極的に情報提供を行う予定である。
(2024.04.10 薬事日報)

希少生薬でチーム発足へ 課題対応策など議論 日家協

日本家庭薬協会(日家協)は、希少生薬に関する情報交換と方針を考える場として、「希少生薬対応プロジェクトチーム」(仮称)を6月の総会で正式設立する準備を進めている。
堀厚常任理事によると、家庭薬メーカーが使用する生薬はマイナーなものが多くあり、安定供給に課題がある。情報収集についても、個別に対応するのは困難なことが多くある。プロジェクトチームの設立により、希少生薬に課題が生じた際に迅速にチームを発足させ、メーカー間での連携を取って対応に当たることが可能になる。正式な組織とすることで、企業間の協力を促進し、日家協の意見として当局や他団体に対し発信することができる。まずは、近年高騰している牛黄に関するチームを作り、現状と対応策を議論する予定である。
(2024.04.26 薬事日報)

オタネニンジン栽培の可能性探る 第5回薬用機能性植物セミナー

薬用植物と機能性植物の国内栽培から供給までのシステム構築を行い、健康社会の実現を目指す一般社団法人日本薬用機能性植物推進機構は3月、都内で「第5回薬用機能性植物セミナー」を開催し、「薬用・健康機能性植物生産の動向とオタネニンジン栽培の今後の可能性」をテーマに講演と討論を行った。
講演では「オタネニンジンの効率的な生産技術の開発」と題し、農業・食品産業技術総合研究機構の久保堅司氏が、15年度から5年間にわたる農林水産省委託プロジェクトの成果を紹介した。オタネニンジンの研究では、種子の発芽を促すためにジベレリン処理を行い、その後、光強度と二酸化炭素濃度を高めた環境で育苗期間を1年に短縮する可能性が示された。さらに、窒素肥料を使わない栽培法によって根の品質の向上が期待できることや、チェーンポット移植で作業時間を半減させること、ハネもの(形状が悪いなど)も医薬品の成分規格に適合すること等も確認できたという。 
(2024.04.26 薬事日報)

先発薬の一部、負担増 10月から

インフルエンザ治療薬「タミフル」やアトピー性皮膚炎などに使われる保湿薬「ヒルドイド」など、特許が切れて後発医薬品がある一部の先発医薬品について、10月から患者の自己負担額が引き上げられることになった。
対象となるのは、後発薬の発売から5年以上が経過、または後発薬の使用割合が5割以上の先発薬が含まれる。厚生労働省が公表したリストには、保湿薬「ヒルドイド」、抗インフルエンザウイルス薬「タミフル」、抗不安薬「デパス」、認知症治療薬「アリセプト」、湿布薬「モーラステープ」――などが挙げられている。
ヒルドイドは美容目的の使用が広がり、公的医療費の無駄遣いや副作用の問題が指摘されていた。今回の制度改正で、自己負担額(窓口負担が3割の場合)は、軟膏タイプ100グラムの処方で555円が813円になる。
10月1日からは安価な後発薬が原則となり、患者が高価な先発薬を希望した場合、後発薬との差額の25%が保険適用外となり自己負担となる。ただし、先発薬が必要と医師が判断した場合や薬局に後発薬の在庫がない場合は従来通りの自己負担額が適用される。
(2024.04.25 朝日新聞)

商況

国内商況:
 年明け以降も大きな動きもなく、先月と同様に推移している。生薬卸関係者によると、まだ新たに収穫された生薬が出てくる時期でないため、夏場に近づかないと目立った動きは出てこないのではないかとのことだ。
                                       (薬事日報2024.04.26)

海外商況:
エンゴサクは、昨年は減産であったが、今年は増産の見込みである。
シャクヤクとボタンピは、高値が続いている。栽培期間が長く、生産量の回復にはまだまだ時間を要するため、今後も高値相場が続く見通しである。
モッコウは、昨年に価格がやや上昇したが、今年の春節以降も値上がりし続けている。この要因として、近年の低価格による栽培意欲の低下と産地での干ばつによって、生産量が減少したことが挙げられる。
                                                         (輸入商社提供)

安全性

・ 医薬品・医療機器等安全性情報(厚生労働省)No.409 2024年4月
・ 使用上の注意の改訂指示通知(医薬品)医薬安発0508第1号 2024年5月8日
医薬薬審発0517第6号 医薬安発0517第1号  2024年5月17日
※漢方・生薬に関する情報はなし