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花扇通信Hanaougi news

月刊 花扇生薬  第264号

2024.9.20

編集・発行人:小西製薬株式会社学術担当

薬事

零売規制、漢方に配慮を 漢方薬局の存続に危機感 日本漢方連盟が要望

日本漢方連盟は8月22日、厚生労働省の濱地雅一副大臣を訪れ、医薬品販売制度の見直しに伴う零売規制強化に関して、漢方薬局の存続に危機感を抱き、要望書を提出した。
医療用漢方製剤の処方は、かつては一般用としても入手出来ていたが、近年は一般用から消える漢方処方が増え、医療用でしか手に入らない処方は18処方に過ぎない。また、漢方薬メーカーが不採算品目を中心に販売を終了するケースが続いており、今後さらに進むことが予想されている。
薬局製剤として認められる範囲が一般用漢方製剤として認められる範囲と一部合致しておらず、漢方薬局としては一般用の製剤が販売終了すると対応できなくなる処方もある。
要望書では、一般用漢方製剤の拡充について、厚労省からメーカーに継続的に要請すること、薬局製剤との範囲の不整合を可能な限り解消し、薬局製剤での対応を可能にすること、これらについてなお対応が困難な場合は、患者の要望を考慮し医療用漢方製剤での代用を可能とすることを挙げた。
 (薬事日報 2024.08.28)

漢方薬原料、麻黄栽培に挑む 国産化で「薬草の里」へ

神奈川県伊勢原市で快気堂薬局を経営する山口寿則さん(71)は、30年以上里山保全に取り組んできた。5年前から漢方薬の原料であるマオウの国産化に挑戦しており、大学の専門家と協力して遊休農地を活用し、栽培を進めている。
2023年には初の商業生産に成功し、乾燥重量で約40キログラムのマオウを出荷した。今年は倍増を狙ったが生育が良くなく、いくつも課題が見つかったが、プラスに捉えている。
マオウは葛根湯などに使われ、国内需要のほとんどが中国からの輸入に依存しているが、山口さんは地域の活性化を目指し、「薬草の里づくり」を進めている。
栽培拠点の日向地区には「日本三大薬師」に数えられる古刹の日向薬師があり、市の花として親しまれるキキョウは生薬にもなり、地域の観光資源としても活用されている。山口さんは地元出身で、長年里山保全に取り組み、NPO法人を通じて農業体験などのイベントも開催。30~40代の有志が集まる「日向BASE」と共に、次のステップを模索している。
(日本経済新聞 2024.09.04)

大麻の使用罪、12月施行 医薬品に使用は解禁

厚生労働省は9月12日、大麻取締法と麻薬取締法の改正法を12月12日に施行すると発表した。改正法は昨年12月6日に成立、同月13日に公布された。
現状は所持や栽培などが大麻取締法で禁止されているが使用罪はなく、若年層の乱用が拡大しているという指摘があった。一方、欧米では大麻由来成分を含む難治性てんかん治療薬が薬事承認されており、患者団体などが国内でも使えるよう要望していた。
改正法では、大麻を「麻薬」に位置付け、他の規制薬物と同様に扱う。大麻の不正所持や使用は麻薬取締法違反となり、7年以下の懲役が科される。また、大麻由来成分を含む医薬品の使用禁止規定が削除され、安全性と有効性が確認された医薬品に限り、医療分野での使用が認められるようになる。
大麻取締法は、栽培に特化した「大麻草の栽培の規制に関する法律」に改称される。今後、大麻の乱用防止や医療での活用が進むことが期待されている。
(日本経済新聞 2024.09.13)

小西製薬株式会社 医薬品供給状況

HM散 ○

商況

<商況>
国内商況:
生薬相場全体は、ほとんど先月と変わらない状況である。梅雨前後からの天候不順もあり、ゲンノショウコ、ジュウヤクといった葉物が少なめであるが、需要が多くはないため数字に影響はない。
コショウやウコンなどの香辛料関係が高くなってきているが、生薬の方までは影響していないとのことである。
(薬事日報2024.08.30)

海外商況:
ビャクゴウは8月に収穫のピークを迎えた。7月に産地で大雨に見舞われ、作物の一部が根腐れする病害を受けた。食用としての需要が高く、これからの相場は堅調と予想される。
ハンゲは、貴州において春に干ばつの影響を受けた。また、甘粛では収益の低下により作り手が減少した。そのため今年は減産する見込みであり、今後値下がりする可能性は低い。
オウバクは、新物の収穫が終わったが、資源の減少により生産量が去年の半分程度に減産した。栽培年数が長く、生産量の回復には時間がかかる。その他にも、加工コストの上昇、市場需要の回復、投機活動の影響などにより、今後の相場はさらに上昇する可能性が高い。
(輸入商社提供)


安全性

・ 医薬品安全対策情報(DSU)No.329 2024年9月
・ 医薬品・医療機器等安全性情報(厚生労働省)No.412 2024年8月20日
・ 使用上の注意の改訂指示通知(医薬品)医薬安発0827第1号 2024年8月27日
※漢方・生薬に関する情報はなし