花扇通信Hanaougi news
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月刊 花扇生薬 第268号
2025.1.20
編集・発行人:小西製薬株式会社学術担当
薬事
スギ薬局内に漢方専門店 まず2月に心斎橋で
スギホールディングス(HD)は2025年2月にも、傘下のドラッグストア「スギ薬局」の大阪・心斎橋の店舗内に子会社の漢方専門店「薬日本堂」を出店する。薬日本堂の商品をスギ薬局全店に導入することも検討し、未病の中高年などの需要を掘り起こす。
スギ薬局はまず25年2月にインバウンド(訪日外国人)の多い心斎橋の店内に出店し漢方の材料を使ったお茶などの販売を始める。運営はスギ薬局が担い、薬日本堂の商品やサービスを展開する。スギ薬局は11月末時点で約1600店を展開している。
スギHDは23年12月に薬日本堂を買収した。薬日本堂は漢方相談に強みを持ち、「薬日本堂」や「カガエカンポウブティック」など16店舗を東京や名古屋などで展開するほか、漢方スクールなども手がける。
今後はスギ薬局のアプリを通じた販売の促進も実施するほか、スギ薬局店舗での漢方相談の受け付けも検討する。
(2024.12.27 日本経済新聞)
漢方用植物、広がる栽培 トウキ、冬の収入源に
利根沼田地域で、漢方薬の原料となる薬用植物トウキの栽培が広がっている。漢方薬大手ツムラによる契約栽培で、市場相場で価格が決まる野菜と違って安定した収入が見込めると、県も導入を後押ししている。
トウキはセリ科の植物で、根の部分が漢方薬の原料となる。県内では1970年代から栽培が始まり、2023年は全国2位の約92トンを出荷。そのうち利根沼田地域分は約70トン。ツムラによると、2024年は100トン超を見込んでいるという。
栽培者にとっては、トウキ栽培が冬場の収入の柱となり、契約栽培は収入の見通しが立つメリットになる。
ツムラによると、同社の国内での医療用漢方製剤の販売数は過去20年間で3倍に増えた。今後も国内での原料調達を広げていく考えで、「利根沼田では210トンを目指したい」と意気込む。
県もトウキ栽培を推進している。来年度までの予定で、生産に必要な機械やパイプハウスなどの施設整備のための補助金制度を整備している。
(2024.12.19朝日新聞)
「小青竜湯」テスト販売 国産甘草配合、直販方式で 王子ファーマ
製紙大手の王子ホールディングス(HD)の製薬企業である王子ファーマは、国産甘草を配合した鼻炎や咳などに用いる一般用漢方製剤「小青竜湯」(第2類医薬品)のテスト販売を行う。
同社によると「予めコミュニケーションを取っている消費者に直販方式で行うことを予定している」という。テスト販売は3カ月程度行い、結果を踏まえて全国販売も視野に入れる。
王子グループでは、王子薬用植物研究所が北海道で甘草栽培を行っており、医薬品、化粧品、食品の事業化を進めている。この中で同研究所と王子ファーマはシナジーを生かし、国産甘草配合漢方薬として開発した。
今回「小青竜湯」を選んだのは、知名度のほか、鼻炎や鼻水に用いるため冬から春先のシーズンに合うことなどを考慮した。テスト販売結果を踏まえ、「他の処方の商品化も検討したい」と説明している。
同研究所は、甘草収穫規模について年数トン程度から、2030年までに年20トン規模まで拡大を目指し、甘草の事業売上として5億円を目標にしている。
(2024.12.16 薬事日報)
クラシエ薬品は、漢方薬市場の動向や2024年に売上を伸ばした注目の漢方薬をまとめた「KAMPO OF THE YEAR 2024」を発表した。
漢方薬市場は一般用も医療用も6年間拡大を続けており、一般用市場見込みは717億円(23年度は708億円)、医療用は2140億円(23年度は1850億円)となっている。
一般用漢方薬市場に関しては、市場金額の36.5%は「防風通聖散」と「葛根湯」が占めている。この上位2処方を除く市場の年平均成長率は5.03%と全体伸長率4.10%より高く推移しており、同社は「裾野の広がりが推察される」としている。
今年の一般用漢方薬市場では、若年層の需要増加が見られ、高齢者層は減少傾向にあった。
一般用漢方薬市場において、23年11月~24年10月の期間で最も伸長率が高かったのは「麻杏甘石湯」であり、2位以降は「響声破笛丸」、「五虎湯」、「桔梗湯」が続き、咳や喉に関連する処方が上位を占めた。背景にはマイコプラズマ肺炎やインフルエンザの流行が考えられている。
注目すべきトレンドの一つとしては「五苓散」が挙げられた。直近5年間で五苓散の販売数は69%増と急速に成長しており、背景には医療用と一般用の双方における処方名の認知拡大が要因として考えられている。
(2024.12.23 薬事日報)
小西製薬株式会社 医薬品供給情報
HM散 ○
商況
国内商況:
先月と同様に目立った変化はなかった。2024年はそれほど大きな動きがなく推移した。例外はゴオウで、2022年辺りから入荷量が減少し、高値傾向が出ていた。その他は、気候による収穫時期の遅れや不出来、洪水等の被害の影響、栽培サイドの人件費の上昇により値段が上がった品目もあるが、良品を除き、在庫が需要に追い付かない品目は出ていないようだ。
(2024.12.27 薬事日報)
海外商況:
サンシュユは、開花から結実までの長い期間で自然災害や気候の影響を受けやすい。昨年は開花期に低温、雨、砂嵐、清明節に急な気温の上昇の影響を受けたため、今年の生産量が昨年の約4分の1に減少すると予測される。
バクモンドウは、作付面積が増えたため今年は増産の見込みであるが、2024年は価格変動が大きかったため今年もどうなるか予想がつかない。
サンソウニンは加工コストが高いことに加え、高値の在庫が多いため、高値が続いている。
ビャクジュツは12月に一部の業者が積極的に購入を進めた結果、流通が活発化し価格はわずかに上昇した。
(輸入商社提供)
安全性
・ 医薬品安全対策情報(DSU)No.332 2025年1月
※漢方・生薬に関する情報はなし