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月刊 花扇生薬 第254号
2023.11.27
編集・発行人:小西製薬株式会社学術担当
薬事
市販風邪薬の販売規制案 20歳未満、多量購入不可に
厚生労働省は10月30日、風邪薬など乱用の恐れがある医薬品について、20歳未満に対して複数個または大容量の販売を認めない案を示した。規制強化を通じて依存症患者の急増に対応する。20歳未満は原則1箱までの販売で、ネット購入時は薬剤師や登録販売者などの有資格者とのビデオ通話が必須となる。規制強化の背景には依存症患者の急増があり、特に若年層の増加が目立つ。
有識者からは「20歳以上もネット販売はビデオ通話を必須にすべきだ」との意見が出た一方で、新経済連盟は「乱用はインターネット販売のみにより引き起こされているわけではない」として反発。
厚労省の医薬品の販売制度に関する有識者検討会で年内にも結論をまとめる。了承が得られれば厚生科学審議会(厚労相の諮問機関)での議論を経て、2025年以降に医薬品医療機器法を改正する方針だ。
(2022.10.31 日経新聞)
薬2・3類、統合合意 3類も説明努力義務に
厚生労働省の有識者検討会は10月30日、医師の処方箋なしで入手できる一般用医薬品(市販薬)の分類の見直しで、第2類と第3類を統合することで合意した。これにより、第3類も販売時に薬の説明の努力義務が課される。年内に報告書をまとめ、別の専門家部会の議論を経て、医薬品・医療機器法の改正を目指す。
市販薬は、副作用などのリスクに応じて第1〜3類に分かれている。1類は薬剤師のみが販売でき、2、3類は薬剤師のほか、登録販売者も販売できる。だが、2、3類の販売に薬剤師らが関わっていないケースがあることや、「現行の分類が複雑すぎる」といった指摘が出ていた。
リスクに応じ、薬剤師らが関わり、必要な情報提供をするために、現行の1類は「薬剤師が販売する医薬品」、2・3類は統合して「薬剤師または登録販売者が販売する医薬品」とし、薬剤師らの関与が不要な医薬品は医薬部外品に移行する考えである。
(2023.10.31 朝日新聞)
先発薬の自己負担引き上げ 議論本格化
厚生労働省は、11月9日の社会保障審議会(厚労相の諮問機関)医療保険部会で、後発薬(ジェネリック医薬品)が出ている先発薬について、自己負担を引き上げる制度の見直し案を示した。捻出した財源を創薬力の強化や後発薬の安定確保に充てる狙いがある。
先発と後発の差額の一部について、患者の希望でサービスを受ける際に保険外として費用を負担する「選定療養」の導入が提案され、賛同する意見が多くあがった。医療現場からは、薬の変更が望ましくないケースへの配慮や、簡素な制度設計にして混乱を避けるよう求める意見が出た。
年内に具体的な制度案をまとめる予定。対象とする先発薬の範囲や後発薬との差額の負担範囲など、詳細は議論を続ける。部会では後発薬の安定供給を優先させるよう求める声も複数あり、厚労省は足元の供給不安への対策と両輪で改革を急ぐ。
(2022.11.09 日経速報ニュースアーカイブ)
厚生労働省は、10月30日に医薬品の販売制度に関する検討会を開催し、議論の取りまとめ案に薬局製造販売医薬品の範囲の見直しの検討を追記した。薬局製剤指針に入っていない漢方製剤や生薬について、薬局製造医薬品として販売できるように範囲の見直しを行う。
医療用漢方製剤は医師の診療で使えるよう一般用医薬品の承認基準をもとに製造されてきた“逆スイッチ”のような経緯がある。その結果、医療用医薬品が主流となり、一般用医薬品の販売が中止され、漢方薬の漢方薬局の一部で零売が行われてきた。
零売は、例外的に「やむを得ない場合」を除き、薬局での販売を認めないこととして、法令上規定する方向にある。厚労省は、漢方薬局が「やむを得ない場合」の拡大解釈で医療用漢方製剤を販売するのではなく、薬局製造販売医薬品の範囲拡大により一般用医薬品として販売していく環境を整備したい考えだ。
一般用医薬品としての販売を中止し、医療用漢方製剤を販売するメーカーには、一般用医薬品として承認を取得するよう働きかけるなど、既存のルールの中で販売できるよう対応を検討していく方針である。
(2023.11.01 薬事日報)
商況
国内商況:
先月同様、相場は停滞が続いており、引き続き、オウゴン、オウバク、シャゼンシ、チョレイなど、良品が高い傾向の品目はいくつか見られている。全般的に動きが少ない中で、サンショウが数年前より大きく値を上げている。薬用だけでなく、香辛料など食用としても繁用されるサンショウ。ぶどう山椒、朝倉山椒といった国産で最良とされるものは昨年来、収穫量の少なさから値を上げていたようで、薬用についても影響を見せている。
(薬事日報2023.10.30)
海外商況:
ニンジンは、昨年より40%前後減産した。今のところ、市場在庫はまだ多いため、価格は大きく上がっていないが、今後数年の生産量も減少の見込みであるため、価格が引き続き上昇する可能性が高い。
クチナシは、昨年の干ばつの影響を受け、今年は減産した。新物が出ても価格は下がらず、上昇している。
ヨクイニンは、2020年に新物の価格が下がってから、農家の生産意欲が下がり始め、2022年から栽培面積が減少し続けている。中国国内での減産は深刻であるが、コロナ禍で需要が下がったこと、ラオスから輸入していることから、供給量は需要を上回っている。 (輸入商社提供)
安全性
・ 医薬品安全対策情報(DSU)No.321 2023年11月
・ 医薬品・医療機器等安全性情報(厚生労働省)No.405 2023年11月09日
・ 使用上の注意の改訂指示通知(医薬品)医薬安発1121第1号 2023年11月21日
※漢方・生薬に関する情報はなし