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月刊 花扇生薬 第269号
2025.2.20
編集・発行人:小西製薬株式会社学術担当
薬事
がん 向き合い方考える フォーラム850人視聴
がんとの向き合い方や最新の医療情報を紹介するフォーラム「がんと生きる~こころとからだ 私らしく〜」が2月16日、江東区で開かれた。インターネットでライブ中継され、約850人が視聴した。
国立がん研究センター中央病院緩和医療科長の里見絵理子氏、ホスピス緩和ケア医の大橋洋平氏、認定NPO法人「マギーズ東京」の共同代表理事を務める秋山正子氏の3人が、心と体の痛みを和らげる「緩和ケア」の現場での経験を踏まえ、がんとの向き合い方について議論した。
第1部では、里見氏が緩和ケアの取り組みを紹介し、漢方薬が倦怠感などを抑える可能性について言及した。大橋氏は、患者と医療者の双方が病状の理解を深めるために、患者自身から痛みについて話してもらうことの重要性を語った。
第2部では、緩和ケアを受ける患者の生き方について意見が交わされた。秋山氏は、患者が日常生活の中で「輝ける瞬間」を見つけられるよう、医療者が支援することの大切さを述べた。
(2025.02.18 読売新聞)
漢方薬局が動物病院と協業 地域で院外処方箋を応需 東北医薬大
動物病院からの院外処方箋を受け付けてペットに調剤を行う地域の薬局が存在することが、東北医科薬科大学薬学部臨床薬剤学教室の金野太亮助教らの研究で明らかになった。この研究では、動物病院と協業し、ペットの病態に応じた漢方薬を処方する漢方薬局が報告された。
調査対象は大学病院17施設を含む2017施設の動物病院と2000施設の薬局で、有効回答は動物病院217件、薬局324件であった。その結果、動物病院から地域の薬局に対する院外処方箋の発行率は7.8%となった。人的資源の不足や飼い主の要望が背景にあると考えられる。
具体例として、東北の漢方薬局では化学療法の副作用軽減目的で補中益気湯や六君子湯を、中部の漢方薬局では抗菌点眼薬を提供した事例があった。
金野氏は「想定以上に薬局薬剤師が地域でペットの医療に関わっていることが分かった」と評価し、「薬局と動物病院のコラボレーション事例を自ら発信しながら、全国的に薬局薬剤師と獣医師の接点が増えることを期待したい」と語った。
(2025.01.22 薬事日報)
会場・ウェブ合わせ160人が参加 日本漢方協会が第44回学術大会
日本漢方協会は第44回漢方学術大会を開催し、会場・ウェブ合わせて160人が参加した。特別講演や会員からの研究成果報告、分科会発表会に加え、初めて「漢方相談師・准漢方相談師」の座談会を実施した。
同協会の「漢方総合講座」は年間を通じて実施され、薬草観察や製剤実習なども含まれる。この漢方総合講座を規定の年数にわたり受講し、所定の知識と技量を身につけたことを証明する協会独自の認定制度として、4年間履修した人は「准漢方相談師」、8年間履修した人は「漢方相談師」の資格を申請することができる。
同講座に参加した理由について、基礎理論や古典、臨床を同時に学べることを理由に挙げる人が多い。資格取得により漢方相談に自信を持てるなどのメリットがあり、講座の内容や仲間との交流が評価されている。一方で、古典・漢文の難しさや概念の理解に苦労する点もあるが、漢方学習は自身や家族の健康管理に役立つと感じる参加者が多い。
(2025.1.29 薬事日報)
鹿児島大学の研究グループが、新型コロナウイルスの増殖を妨げる化合物を発見した。シソ科の薬用植物ホーリーバジルから抽出されたスルホキノボシルジアシルグリセロール(SODG)である。ウイルスの増殖を助けるメインプロテアーゼを阻害することが確認され、既存の阻害物質とは異なる化学構造を持つため、新たな作用機序を持つ可能性がある。
同大研究グループは天然由来の成分から適合する化合物を探すため40種以上の植物を調査し、ホーリーバジルが有望であると判明した。ただし、SODGの含有量はごく微量であり、日常的に摂取できる量では効果が期待できない。
研究成果は2024年11月、生薬専門誌「ジャーナル・オブ・ナチュラル・メディシンズ」に掲載された。
(2025.01.23 朝日新聞)
OTC扱う薬局は低集中率 処方箋なし来局の環境を 都薬調査
東京都薬剤師会の調査により、要指導医薬品以外のOTC医薬品の取り扱い品目数が多い薬局ほど、特定の医療機関からの処方箋集中率が低い傾向があることが判明した。また、「処方調剤以外で利用者が健康相談に訪れる頻度」や「薬局の創業年数」と「処方箋集中率」にも負の相関が見られた。
調査は2024年4~9月に実施され、回答薬局の4分の3が上位3位の医療機関からの処方箋集中率50~99%だった。薬局で取り扱っている要指導医薬品以外のOTC医薬品については、10品目以内が26.7 %と最も多く、取り扱い拡大を検討する薬局は53.7%に上った。
OTC医薬品を扱いづらい理由として「陳列スペース不足」が最多だった。大野郁子理事は、OTC品目拡大だけでなく、地域住民とのコミュニケーションやPR、処方箋なしでも来局できる薬局作りが必要であると語った。
(2025.01.29 薬事日報)
小西製薬株式会社 医薬品供給状況調査
HM散 ○
商況
国内商況:
生薬相場は年明け以降も目立った変化はない。生薬卸関係者によると、良品が少ないなどの理由でやや高めの品目はいくつか見受けられるが、需要自体が低迷気味なだけに品薄で困る状況はないとのこと。
(2025.01.31 薬事日報)
海外商況:
中国の生薬市場は過去3年以上に渡って広範な値上がりをし、大半の品目が依然として高値を維持している。そのため、中国国内の生産者の栽培意欲は過去5年間で最も高い水準に達しており、2025年には栽培面積がさらに拡大する見込みである。
ただ、春の寒波、干ばつ、高温、暴雨・洪水、台風、雹などの異常気象は生薬の生産量に影響を与える可能性があり、市場関係者の関心が高まることで価格が上昇する要因となるので注意が必要だ。
(輸入商社提供)
安全性
・ 医薬品安全対策情報(DSU)No.333 2025年2月
・ 医薬品・医療機器等安全性情報(厚生労働省)No.416 2025年1月22日
・ 使用上の注意の改訂指示通知(医薬品)医薬安発0129第1号 2025年1月29日
※漢方・生薬に関する情報はなし