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花扇通信Hanaougi news

月刊 花扇生薬  第225号

2021.06

編集・発行人:小西製薬株式会社学術担当

薬事

20年度の国内医療用薬市場2.7%縮小 開業医市場で影響長期化  IQVIA

 5月20日に2020年度(20年4月~21年3月)の国内医療用医薬品市場が、薬価ベースで10兆3475億円、前年度比2.7%減と発表されました。6年連続で10兆円を超えましたが、前年度を額で2818億円余り下回りました。20年度は四半期ベースで4期連続のマイナス成長を記録し、病院、開業医、主に調剤薬局で構成する「薬局その他」の3市場とも縮小しました。特に開業医市場は回復に時間がかかっており、市場規模は1兆9916億円(前年度比5.7%減)と2兆円台を下回りました。2兆円割れは05年度以降で初めてで、20年度薬価改定に加え、コロナ禍による全国的な受診抑制が開業医市場に大きな影響を与えています。(薬事日報 21.5.24)

ビジョン実現へ実行計画‐漢方の将来理想像を設定 日本漢方生薬製剤協会

日漢協の漢方の将来ビジョン2040の取り組みとして、新ロードマップと実行計画5ヶ年アクションプランが5月8日の定期総会で了承されました。内容は、1.さらなるエビデンス集積と有用性の確立 2.原料生薬の継続的安定確保と国産生薬生産量の拡大 3.原料生薬から最終製剤までの品質管理の高度化と製品品質保証の体制強化および医療用漢方製剤等の安定供給 4.ガイドライン策定に向けた医療用漢方製剤の新剤形開発・効能拡大に関する研究の推進 5.一般用漢方製剤および生薬製剤の開発推進と情報提供体制の強化 6.コンプライアンス遵守の体制強化と信頼性向上 7.自然環境の保全・生薬資源の保護など地球環境や生物多様性へ配慮した事業活動の推進と漢方製剤等の国際展開の推進 8.産官学連携強化とアウトリーチ活動の充実の8項目です。(薬事日報 21.5.21)

初めて国内生薬調達担当者情報交換会を開催   薬用作物産地支援協議会(薬産協)

薬産協の主催で国内生薬調達担当者情報交換会が開催されました。日漢協が策定した「漢方の将来ビジョン2040」では、生薬の国内生産量を2015年度に比べて2030年度に約1.5倍、2040年度に約3倍まで引き上げることを目指しています。 国内で生薬の調達を担当会員会社で意見交換や情報共有を目的に開催されました。会員会社9社から29名の調達担当者がオンライン参加したほか、農林水産省で薬用作物の生産拡大に向けた補助事業を担当生産局から2名が参加しました。国内での生薬調達を拡大するには、使用できる農薬の拡大や、機械化については業界で協力体制をつくり共同開発できればとの意見が出されましたが、価格や会員会社ごとに求める生薬の品質が異なることなどが、拡大にあたっての課題とされました。(日漢協HP 21.5.28)

初の中間年薬価改定の引き下げ品目が約8割に 日本製薬団体連合会保険薬価研究委員会(薬価研)

薬価研は、4月に実施された初の中間年薬価改定に関する研究報告をまとめました。企業(90社)を対象としたアンケート調査では、改定処理が適用された品目のうち、薬価が引き下げられた品目の比率は77.9%を占め、改定影響率は4.4%となりました。企業からは「数多くの品目が改定対象となったことは、企業に対する影響が非常に大きい」と経営への打撃を懸念する声がありました。(薬事日報 21.6.14)

危機の「雲州人参」、薬草酒で再興を  出雲漢方研究会

江戸時代、松江藩で栽培された生薬・雲州人参が、島根大学・医師や地元酒蔵・杜氏らにより復活に向け動き出しています。八代将軍・徳川吉宗が種を諸藩に配り栽培が始まったとされ、会津、信州、雲州が三大産地になりました。しかし、生産農家が減り、現在は大根島(松江市八束町)にある日本庭園「由志園」や島内の数戸に限られている状況です。島根大学の医師や生薬研究者でつくる「出雲漢方研究会」は、雲州人参を盛り上げるため薬草酒の開発を企画し、杜氏らが配合を担い、薬草酒を醸造しました。「神名火(かんなび)」は雲州人参を配合し、胃腸の力を高める効果を重視しています。「火之護(ひのもり)」は、シナモンやショウガなど体を内側から温める効果がある生薬を配合しました。「国内産の生薬は、海外の安い生薬に押され、危機的な状況にあり、高付加価値の商品をつくることで、国産生薬を守るきっかけにしたい」と杜氏は話しています。出雲市内を中心に10aで栽培を始め、4年目には400㎏を収穫予定です。(朝日新聞 21.5.22)

超希少なピンクの苞が特徴的なキョウオウ  小浜市・杉田玄白記念公立小浜病院薬草園

福井県小浜市の公立小浜病院の薬草園で、キョウオウが薄ピンク色の花びらのように見える苞を付けている。同園の管理アドバイザーの渡辺斉さんは「本州では一生に一度見られるかどうかぐらい珍しい」と驚いています。キョウオウはショウガ科ウコン属の植物で、インド原産で、根茎の部分を乾燥粉末にし漢方薬として使われます。春に咲くウコンで春ウコンとも呼ばれ、1844年、日本に伝わったとされています。渡辺さんは「東南アジアなど気温が高い地域でしか花が咲きません。7月ごろには20センチほどに成長し、苞の間から黄色い花をのぞかせる」と話します。観賞用として、ボランティアが4月に苗10株を植え、6月に入り成長具合を確認すると、5月中旬には発芽していなかった1本が高さ10㎝ほどに成長し、薄ピンク色の苞を付けました。(福井新聞社 21.6.10)

膀胱炎による頻尿におすすめの漢方薬 漢方医・西大條 文一

猪苓湯は、口が乾き、尿量が少ない方に水分代謝を促すことで、尿を排出しやすくします。また、炎症や出血を改善する作用があるため、尿道炎、腎石症などにも用いられます。五淋散は、尿の切れが悪い膀胱炎が慢性化している方に水分代謝を促すことで、頻尿や残尿感を改善します。また、炎症を静めることで排尿痛、血尿などにも用いられます。竜胆瀉肝湯は、下腹部が熱っぽく、痛みがある方に泌尿器に生じた湿熱を除くことで、排尿困難を伴う発熱や炎症を抑え、 排尿痛、残尿感、尿の濁りを改善します。(サライ 21.5.16)

お腹の張りにおすすめの漢方薬   医師・木村 眞樹子

大建中湯はお腹が冷えて痛みがあり、お腹の張りもある方で 血流を良くしてお腹を温め、お腹の動きを良くします。桂枝加芍薬大黄湯は、お腹が張って便秘に悩んでいる方に 体を温めて痛みを和らげ、便秘を解消します。桃核承気湯は、便秘がちで月経不順がある方 血の巡りを良くして月経不順や便秘を解消します。(サライ 21.5.21)

鬱におすすめの漢方薬     医師・木村 眞樹子

鬱を改善したい人には、漢方薬は、対症療法ではなく、体質改善に働きかけることで根本的な解決を目指すので、同じ症状を繰り返したくないことに応えてくれます。症状や体質に合った漢方薬を、手間なく気軽に継続できます。加味逍遙散は体力が中等度以下の方に用いられる漢方薬で、更年期症状や、精神不安やイライラなどの精神神経症状に処方されます。加味帰脾湯は、体力中等度以下の方の漢方薬で、精神不安や神経症、不眠症にも使われます。抑肝散は、体力が中程度ある方向けの漢方薬で、更年期症状や怒りっぽくすぐイライラするといった症状のほか、不眠症にも処方されます。(サライ 21.6.14)

健康な爪をサポートする漢方薬    医療系・美容系ライター薬剤師  浅田麻希

漢方薬で根本的に体質やからだの不調を改善することで、爪の質を向上することができます。漢方薬は、からだに備わっている内なる治癒力を高めることで、体質を変え、根本的に改善をすることにより、健康な状態を目指せます。漢方薬による体質改善なら、自分の症状や体質に合うものを飲み続けるだけなので、気軽に継続できます。爪の健康に推薦される漢方薬として十全大補湯と当帰芍薬散があります。十全大補湯は気や血を補い、弱ったからだに活力を与えます。当帰芍薬散は血を補い、滞った血や水のめぐりに働きかけ、冷えやむくみをとり除き、婦人科系機能を活発にします。(FASHION BOX 21.5.14)

伝統薬由来・クラフトコーラ次々誕生   奈良県

スパイスやハーブをブレンドするコーラ「クラフトコーラ」が誕生しています。奈良市のフレンチレストランでは、オリジナルの「ナラコーラ」を提供しています。シェフは、甘くなりすぎず、スパイスが際立ちすぎず、特徴をなくさないよう試作を重ねたといいます。沖縄からシナモンリーフを取り寄せ、サフランを調合し、美しい黄金色が楽しめます。橿原市の100年以上続く製薬会社は、20年秋から「おにみみコーラ」を販売しました。シナモンやジンジャーなど13種類のスパイスやハーブをブレンドし、冬は風邪対策にビタミンCが豊富なローズヒップを入れるなど、季節ごとに数種類を入れ替えています。陀羅尼助をモチーフにした「湧き水のキハダコーラ」は、高取町のポニーの里ファームが21年3月発売しました。陀羅尼助原料が採れるミカン科の樹木、キハダの実と紫ウコンなどを天川村の「ごろごろ水」で炊き上げています。同ファームでは18年からキハダの苗木を生産しています。陀羅尼助の原料は樹皮のみで、実の有効利用として、コーラ飲料の開発が進みました。曽爾村村観光振興公社などから発売されたのは、「大和コーラ」で、大和当帰やキハダの実、日本最古の柑橘とされる大和橘など15種類のハーブとスパイスを加えています。
(毎日新聞 21.5.24)

やる気が出ない時に食べたいのは「キャベツ」

やる気が出ない、なんとなく体調が悪いなどの症状は、乱れた食生活や生活習慣で胃腸が疲れていることが原因かもしれません。漢方や薬膳の考えでは、胃腸から気や血が作られると考えられているため、胃腸の調子が整っていないと消化吸収が十分に行えずに栄養分がエネルギーと変換されるのを妨げるため、だるい、疲れやすい、やる気が出ないなどの症状が出やすくなります。そんな症状を和らげ、胃腸の働きを促進する働きがあります。薬膳的には、気を補い体の機能を高めるとされています。キャベツは、胃酸の分泌を抑えて胃粘膜の修復を助けるビタミンUが豊富に含まれて、潰瘍部分の止血に役立つビタミンKも含むので、両者の相乗効果が期待できます。キャベツの性質は「平性」といって、体を冷やしも温めもしない食材で、万人に適した食材といえます。常食すると、気力を養い体力をつける効果も期待できます。しかし、生でたくさん食べると体を冷やすことがあるので冷え性の人は食べる量に気をつけるか、加熱して食べましょう。
(クックパッドニュース 21.5.23 )

商況

国内商況:先月と同様、総じて動き鈍い状況で、需要の停滞傾向が続いています。(薬事日報 21.5.31)

海外商況:中国では、天候は雨季ですが、入梅はまだです(6月初旬)。ケイヒは、減産にて、価格は高騰しております。
キジツは新物時期ですが、人件費が上昇し価格は下がってくれません。
ハッカは収穫期に入りますが、これからの長雨により収穫は減少する状況です。
ジュウヤクは平年並みです。
中国種トウキは食品にまわされ品薄で、日本種トウキは、減産となり価格は上昇しています。
野生物ソウジュツは、時価が上昇しており、秋堀が出るまで価格は下がらないと予想されます。
チンピは実なりが悪く、冬場の新物が減産になりますと、価格は上昇する予測です。バクモントウは減産にて、価格は上昇する予測です。
サイシンは数年来の減産と精油合格品の少なさから、先月と同様高値が続いています。(輸入商社提供)

安全性

・ 回収情報 厚生労働省 2021.6.17
     防風通聖散料エキス錠「至聖」、NID防風通聖散剤Z6000
・ DSU (Drug Safety Update) No.299 厚生労働省 2021.6.4
小柴胡湯加桔梗石膏 重大な副作用:間質性肺炎
以下2項目には漢方・生薬にかかわる情報はありません。
・ 安全性情報 No.383 厚生労働省 2021.6.10
・ 使用上の注意改訂 厚生労働省 2021.6.15