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花扇通信Hanaougi news

月刊 花扇生薬  第222号

2021.03

編集・発行人:小西製薬株式会社学術担当

薬事

OTC薬は低気温と乾燥で皮膚用薬は好調、総合感冒薬は不振 インテージヘルスケア(市場調査会社)

OTC薬は低気温と乾燥で皮膚用薬は好調、総合感冒薬は不振 インテージヘルスケア(市場調査会社)
OTC薬の2020年12月度の販売金額は993億円(前年同月比では94.4%)です。過去5年間の12月販売金額の平均を100とした指数は95.2と最低です。新型コロナウイルスによる影響が継続していることが要因です。販売金額が1位の皮膚用薬は89.8億円、前年同月比128.1%と大きく伸長しています。手荒れへの保湿を訴求した製品で前年同月比175.3%、ひび・あかぎれの製品で160.1%、乾燥によるかゆみ肌の製品で120.8%です。殺菌消毒剤は、好調を維持していますが、伸び率は鈍化傾向で、販売金額は50.4億円(前年同月比235.4%)です。総合感冒薬は、予防対策の定着で厳しい状況が続いており、販売金額84.8億円(前年同月比67.9%)です。風邪関連薬は、鎮咳去痰剤が前年同月比67.8%、口腔用薬が85.7%、葛根湯が89.1%と大幅な減少が続いています。外用鎮痛・消炎剤は、前年同月比94.3%です。目薬は86.9%ですが、中高年向けの高機能目薬が伸長しています。(薬事日報 21.2.26)

国内医薬品市場が再びマイナス成長に、コロナや薬価改定が影響  IQVIA(市場調査会社)

2020年の国内医療用医薬品市場は、薬価ベースで2.4%減の10兆3717億円と再びマイナス成長に転じました。新型コロナウイルス感染症の拡大や薬価改定による影響です。総売上高は6年連続で10兆円を上回りました。病院市場は0.8%減の4兆7103億円、開業医市場は5.8%減の2兆0147億円と落ち込み、薬局その他も2.5%減の3兆6467億円となりました。3市場が全て前年を下回るのは17年以来となります。(薬事日報 21.3.1)

21年度薬価改定が告示、初の中間年改定  厚労省

 厚生労働省は、2021年4月1日に行う薬価改定を告示しました。改定の対象は、昨年9月取引分を対象に行われた薬価調査で乖離率が平均(8.0%)の0.625倍にあたる5.0%を超えた品目で、薬価収載されている全医薬品の69%に相当する1万2180品目が対象となりました。厚労省は改定率を未公表ですが、今回の改定で4300億円の医療費削減を見込んでいます。直近の国民医療費は約43.4兆円(18年度)で、医療費ベースで1%程度の薬価引き下げです。(AnswerNEWs 21.3.5)

厚労省は、添付文書GS1コード読み取りへ準備要請 厚労省


厚生労働省は、2月19日、8月から開始する医療用医薬品等の添付文書の電子化に向けて、ウェブで情報にアクセスできるコードを製品容器等に記載するなど、必要な準備を進めるよう製造販売業者に求める通知を発出しました。商品コードと添付文書番号に紐づけた情報を医薬品医療機器総合機構のサイトに登録することも必要としています。改正医薬品医療機器等法では、最新の添付文書情報を医療機関や薬局に対して周知することや紙の浪費を避けるため、添付文書の電子化を開始するとしています。
(薬事日報21.2.24)


薬局数が6万施設突破、前年度比0.9%増と続伸 厚労省

 厚生労働省は、2019年度の衛生行政報告例の結果を公表しました。19年度末時点の薬局数は、6万0171施設と前年度から558施設(0.9%)増加、6万施設を突破しました。人口10万人当たりの薬局数は、佐賀県、山口県、広島県・香川県の順に多く、薬局数は東京都、大阪府、愛知県の順に増加数が多くなりました。人口10万人当たりの薬局数は47.7施設で、前年度に比べ0.6施設多くなり、都道府県別に人口10万人対薬局数の推移を見ると、最多は佐賀県の63.1施設で、6年連続でした。(薬事日報21.2.22)

新型コロナウイルス感染症軽症患者に対する栄養調査を実施  近畿大学・東洋医学研究所/農学部

近畿大学東洋医学研究所と近畿大学農学部は、宿泊・自宅療養をしている新型コロナウイルス感染症軽症患者及び回復者100人、非感染者100人に対し、LINEにて栄養調査を実施します。2021年2月19日から調査を実施し、感染予防のための栄養学的考察を行います。日常生活と隔離された宿泊・自宅療養をする感染者も非接触で漢方相談ができ、症状に応じた漢方薬の入手が可能です。咳・咽頭痛などの症状に苦しむことや、重症化や家庭内感染の不安から、ストレス状態にあると想定されます。漢方薬の新型コロナウイルスへの効果に関しては不明で、他施設で臨床研究などが実施されていますが、漢方薬には感冒様症状の改善やストレス・不安症状の解消には効果があります。
(産経新聞 21.2.19)

COVID-19で存在感高まる漢方製剤と副作用 日経ドラッグインフォメーション

新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、日本感染症学会がCOVID-19感染症に対する漢方治療の考え方に関して、漢方薬は、西洋薬と併用し複数の漢方薬の選択肢が示されるなど評価されています。給田ファミリークリニック・樫尾明彦は、COVID-19の流行で、以前よりもかぜ診療に漢方薬を活用する意義が大と述べています。患者の症状が寒気がする、だるい、体が重く疲れやすい場合に、COVID-19の可能性はあっても、すぐに処方できる西洋薬は限られますが、漢方製剤は、かぜの時間経過や発汗の有無などに応じて選択肢を考えられます。患者がかぜ症状でCOVID-19の不安を抱いて受診したときに漢方製剤を処方して症状が緩和するケースもあり、ニーズの高まりを感じています。一方、漢方薬は西洋薬に比べて副作用が少ないので安全、ずっと飲み続けられるというイメージが根強いのですが、日経メディカル調査では、約3割の医師が漢方エキス製剤による副作用を経験したと回答しています。特に甘草含有製剤は、偽アルドステロン症の副作用があり、不必要なら減量や中止を検討、継続するなら定期的な血液検査が不可欠と強調しています。
(日経新聞 21.1.14)

エンメイソウの苦味成分が大腸がん細胞の増殖を抑制  京都府立医大/梅花女子大学

京都府立医科大学と梅花女子大学は、シソ科の多年草のエンメイソウ(別名:ヒキオコシ)の苦味成分・ラブドシアノンIが、大腸がん細胞の増殖を抑制する分子メカニズムを解明したと、科学雑誌・Cancersに発表しました。弘法大師が病に倒れた旅人に延命草の搾り汁を与えると、苦さにたちまち起き上がったという逸話から「ヒキオコシ」と呼ばれ、起死回生の妙薬として伝承されていました。経験則的に利用されてきましたが、薬効成分と作用メカニズムは未解明で、苦味成分としては、エンメインやオリドニンが知られていました。梅花大・山田教授が、それらとは別の有機化合物を抽出し、分子構造を決定、ラブドシアノンIと命名しました。(マイナビニュース21.3.10)

ゴキブリに寄生する世界で3種目のトウチュウカソウの新種確認    琉球大

南西諸島などの森林にすむクチキゴキブリに寄生してキノコを生やすトウチュウカソウが新種であることを確認したと、琉球大などの研究チームが国際菌学連合の学術誌に発表しました。ゴキブリに寄生するトウチュウカソウの確認は国内初、世界で3種目だそうです。沖縄県国頭村や鹿児島県屋久島町、宮崎県延岡市の調査で、朽ち木にすむクチキゴキブリの仲間タイワンクチキゴキブリとエサキクチキゴキブリから、キノコが発生しているのを発見、DNA配列解析から、同一の新種であると確認されました。(毎日新聞 21.3.15)

有田みかんの陳皮を6次産業化で商機拡大   早和果樹園(有田市)

みかんの皮は、そのまま捨てると廃棄物ですが、乾燥ミカンの皮は陳皮として、生薬として使われます。早和果樹園は、1979年にミカン農家7戸で作った共同選果組合を母体に誕生しました。作物の出来が天候に左右されては、農業が安定したビジネスにならないとして、生産(1次)から加工(2次)、販売(3次)までの全てに関わって商機を生むみかんの6次産業化を進めています。
(毎日新聞 21.3.1)

ウオノメにヨクイニン併用効果 川嶋千朗・皮膚科医

皮膚の一部に圧迫や摩擦という物理的な刺激が繰り返し加わることによって、皮膚の角質が肥厚します。このとき、角質の肥厚と同時に患部の中心に芯ができるのがウオノメ、角質の肥厚が盛り上がるのがタコで、ヒトパピローマウイルスが小傷から皮膚の内部に入り込むことによって発症するのがイボです。イボが多発する場合、漢方薬のヨクイニンの内服を併用して治療します。
(日刊ゲンダイDigital 21.3.2)

商況

国内商況:生薬相場は年明けからほとんど動きがなく、目だった材料もない。コショウの国内価格が生産地ベトナムでの減産により、上昇気味です。ゴオウは引き続き高値止まりです。(薬事日報 21.2.26)

海外商況:中国では、2月春節の影響で、市場相場は穏やかでした。四川タクシャは、在庫がなく、大雨で生産量が減少、農家の売り惜しみもあり10年来の最高価格です。バクモンドウは3月から収穫が始まり、雨の影響はなく生産量は昨年と同様で、相場は安定しています。モッコウは、新物収穫は終末となり、農家は市場価格に不満で、栽培意欲低下で栽培面積が減少し、新物の生産量は減少しましたが、市場価格は現在安定しています。ジオウは2020年新物の生産量が減少し、在庫量も少なく、商品保有者の売り惜しみもあり、価格は高騰しています。(輸入商社提供)

安全性

次のいずれも、漢方・生薬にかかわる情報はありません。
・ 回収情報 厚生労働省 2021.3.16
・ DSU (Drug Safety Update) No.297 厚生労働省 2021.3.10
・ 安全性情報 No.380 厚生労働省 2021.2.24
・ 使用上の注意改訂  厚生労働省 2021.2.25